運営問題連発の韓国で国際大会が多いのはなぜか


韓国・光州のナイトクラブで中二階の床が落下 2人が死亡 
世界水泳出場の9選手も負傷
[ 2019年7月27日 17:16 ]  スポニチアネックス

世界水泳が開催されている韓国の光州で26日、選手の宿舎に隣接しているナイトクラブの中二階の床が落下。AP通信によれば居合わせた2人が死亡し、16人が負傷した。死亡したのはいずれも韓国の男性で、負傷者のうち10人は外国人。このうち8人は世界水泳に出場していた選手で、米国が3人、ニュージーランドが2人、オランダ、イタリア、ブラジルが各1人となっている。
 米国の負傷者は男女の水球の選手で、この中には女子水球で優勝したケリー・ギルクリスト(27)とペイジ・ハウスチャイルド(19)の2人が含まれている。ギルクリストは左脚に裂傷を負い、搬送された病院で手術を受け、ハウスチャイルドは右腕に裂傷があると伝えられている。またウズベキスタンからの交換留学生も2人負傷。捜査当局では違法建築の疑いがあったかどうかを捜査している。

競泳でもトラブル 運営問題連発の韓国で国際大会が多いのはなぜ

7/24(水) 12:00配信

「またか!」という声が聞こえてきそうだ。

 韓国・光州で行われている競泳世界選手権の予選で、スタート台の不具合が続出。男子100メートル平泳ぎの入江陵介(29)も、スタート直前に足を掛ける部分がズレるという前代未聞のアクシデントに見舞われた。

 近年は韓国で国際競技大会が頻繁に行われるようになったが、必ずと言っていいほど運営面の問題が発生している。

 昨年の平昌五輪では、山間地の頂に造られた「世界で最も危険」と言われるジャンプ台には強風が吹きつけ選手をビビらせた。大会中には警備員や選手にノロウイルスの感染も広がった。

 2014年のアジア大会(仁川)では日本のサッカー代表が宿泊するホテルのエレベーターが故障。選手は22階まで歩かされた。同大会のバドミントンの試合中には、韓国選手を後押しするような風が急に吹き出した。

■根底には「日本に追いつき、追い越せ」

 歴史を遡れば、88年ソウル五輪では日本選手が柔道やバレーボールで審判の不可解なジャッジに泣かされた。86年アジア大会(ソウル)のゴルフでも、フェアウエーにある日本選手の球が誰かに踏みつけられてウッドクラブが使えない事件もあった。 

 なぜ韓国で、国際大会が次々に行われるのか。韓国メディアの関係者が言う。

「五輪がそうであるように、世界選手権やアジア大会の開催は国家や都市の国際的な地位の向上だけでなく、経済効果や競技強化にもつながる。韓国は陸上と水泳が弱い。2011年の世界陸上大邱)の誘致にはIAAF(国際陸上競技連盟)のパク・ションギ委員が尽力。一方で世界陸上の誘致は、今年の世界水泳の公式スポンサーでもあるサムスンの力もあった。サムスン発祥の地は大邱サムスンは韓国陸上界のタニマチで、世界陸上テグ大会誘致決定後に、IAAFやダイヤモンドリーグの公式スポンサーにもなっている」

 さらにこの関係者が続ける。

「世界大会の誘致は、スポーツ先進国の日本への敵愾心もある。韓国が政治力とカネで日本開催がほぼ決まっていた88年(名古屋)五輪をソウル開催にひっくり返し、02年サッカーW杯を日韓共催にした。相手が日本でなければ実現したかどうか。今も韓国は日本に追いつき、追い越せなんです」

 今回の競泳世界選手権を誘致するためのプレゼンでは、「韓国政府が1億ドル(約108億円)を支援する」という趣旨の偽造文書を誘致資料の中に盛り込んでいた。どこかの国の首相も五輪招致のプレゼンで福島原発問題を「アンダーコントロール(管理下に置いている)」と述べていたから、この件に関しては問題視できないか……。


「信じられない」スタート装置の不備で3回泳ぎ直し、世界水泳韓国大会

7/22(月) 17:31配信

【AFP=時事】韓国・光州(Gwamgju)で開催中の第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)の競泳で、背泳ぎのスタートに使う装置に不備があり、イタリアの男子選手が3回のスタートやり直しを強いられる出来事があった。同様の事態は、他の選手にも発生している。

【写真5枚】装置の不備により1人で泳ぎ直すサッビオーニ

 3回やり直しを強いられたのは、イタリアの国内記録保持者シモーネ・サッビオーニ(Simone Sabbioni)で、同選手は22日に行われた男子100メートル背泳ぎの予選で、選手が足を乗せる斜めのブロック「レッジ」がスタート時に意図せずにずれ、他選手が泳ぎ続ける中で止まらざるを得なくなった。

 その後サッビオーニは1人でレースすることを許可されたが、このときもレッジが外れ、同選手がバランスを崩すトラブルが発生。結局3回目でようやくきれいなスタートを切ることができたサッビオーニは、大歓声にも後押しされたのか、53秒85でなんとか予選通過の枠に食い込んだ。

 サッビオーニは「世界選手権でこんなことが起こるなんて、ただただ信じられない」「準決勝へ行けたのは良かったけど、こういう状況だから簡単ではまったくなかった」と話した。

 スタート装置の不備に悩まされたのはサッビオーニだけではなく、その数分前に同種目の予選に臨んだトリニダード・トバゴディラン・カーター(Dylan Carter)も同様の問題に出くわし、コーチが抗議した結果、こちらも1人で泳ぎ直すことが認められた。

 カーターは「レッジが台からずれるなんて初めてだし、機械の故障だ」「準決勝に行く力があるのは分かっていたから、コーチが抗議した。いろんな選手に起こっていたからね」と話している。

 泳ぎ直しが許可されたのはすでに水着を脱いだ後だったというカーターは、「もう一回泳がせてもらい、そこで最初よりも良い泳ぎをして、準決勝に行けた」と話しながらも、2回泳がなくてはいけなかったのは「残念」で「不公平」な出来事だったと話している。

「こういうことはあっちゃいけない。何しろ、これは世界選手権なんだ」

 他には50メートルと100メートル、200メートルのジュニア世界記録を持っているロシアのクリメント・コレスニコフ(Kliment Kolesnikov)もスタート装置の問題に見舞われたが、こちらはなんとか泳ぎ続け、サッビオーニに次ぐ14番手のタイムで予選を通過した。【翻訳編集】 AFPBB News

入江え、ずれてる?機械の不備か「今までない」経験

7/22(月) 11:23配信
日刊ズポーツ

<水泳:世界選手権>◇第11日◇22日◇韓国・光州◇男子100メートル背泳ぎ予選

え、使わないの? 男子100メートル背泳ぎ準決勝で、大会側はスタートの姿勢を補助する「バックストロークレッジ」を使わないことを決めた。同器具はよりよいスタートのために必要なものだが、2年に1度の世界一を決める大会で、異例の措置がとられた。

【写真】男子100メートル背泳ぎ予選に出場した入江

伏線は午前の予選にあった。入江陵介(29=イトマン東進)が、予選6組5レーンで登場して53秒38の2着で午後の準決勝進出。ただスタート台の下にある、足をかけて最初の姿勢を補助するバックストロークレッジに不備があって困惑。スタートが仕切り直しになるアクシデントがあった。「よくわかんないです。落ちるんです。力を加えたらズルンと」と証言。両手でひっぱると、ずれてしまったという。「女子から1組に1人ぐらいはあって。(スタートが)とまるなあ、と思っていたが。どこかであるだろうな、と構えていたら、まさか自分だったので」と困惑した。

入江はスタート前に必ずバックストロークレッジを両腕でひっぱって、固定されているか、確かめるという。今大会初レースを前にがちゃがちゃと確かめていたが、係員に「ひっぱるな」と言われたという。「いやいや、すべったらどうする?」とびっくり。五輪3大会連続出場のベテランは「今までこういうことはないので、改善してほしい。この大会でひたすら起きているのは機械のズレがあるからだと思う」と話した。

このアクシデントは他の組でも発生。最終の予選7組に入っていたイタリア選手はアクシデントの影響で、同組の終了後に1人だけで泳いでタイムを計測。さらに2種目後の男子200メートル自由形予選の途中に、再びトリニダード・トバゴ選手が1人で泳いで、タイムを計測。2人は準決勝進出の16位以内のタイムを出した。2人の選手がはじかれた形だが、大会側は準決勝2組を通常の16人ではなく、18人で行う形を決定。予選17位、18位の選手はそれぞれ「0レーン」に入った。スポーツの根幹である「公平性」に影響するアクシデントだけに、後味の悪さが残る予選となった。

複数の器具で不具合があるために、準決勝は全員が同じ条件という形をとるためにすべて外した形。しかしこの器具はタイムに影響するために、世界記録などを狙う選手にとっては、釈然としない処置といえる。

なお世界一を決める同種目決勝は23日夜に行われる。


世界水泳のトラブル対応で見えた、入江陵介が長年トップで戦える理由。

7/24(水) 8:01配信
   
競泳競技が21日からスタートした、FINA世界選手権(韓国・光州)。

 初日からアダム・ピーティー(イギリス)が100m平泳ぎで人類初の57秒の壁を突破する、56秒88という驚異的な世界記録を樹立したり、女子自由形中長距離の女王ケイティ・レデッキー(アメリカ)が400m自由形で敗北を喫するなどの話題が世界中を飛び交っている。

【秘蔵写真】美しすぎる入江の肉体美と笑顔。

 同時に、男子400m自由形で4連覇した孫楊(中国)に対してマック・ホートン(オーストラリア)が表彰台を共にすることを拒否するなどのネガティブメッセージがあったり、女子100mバタフライで表彰台に上がった3人が「Ikee・NEVER・GIVE UP・Rikako」と手のひらに書いてメッセージを送るという、スポーツマンシップの鑑とも言える行動があったりと、ニュースには事欠かない。
トラブルで3度のスタートやり直し。
 そのなかで、シモーネ・ザッビオーニ(イタリア)という選手が3回ものスタートのやり直しをさせられた。それは男子100m背泳ぎの予選での出来事だった。

 バックストロークレッジというのは、背泳ぎのスタートの際に足をかける装置のこと。2014年から採用されて以来、背泳ぎのスタートで足を滑らせる選手はほぼいなくなった。

 ところが、ザッビオーニがスタートの際に足を滑らせて、ひとりレースを中断。原因は、本来固定されるべきバックストロークレッジのベルトが動いてしまい、スタートできなかったのである。

 このバックストロークレッジは、足をかけるバーの高さを細かく調整できるように作られている。

 初期のものは手動だったが、現在は自動でベルトを動かせるようになっていた。この自動でベルトを巻き上げたり固定したりする部分に不具合があったようで、スタート時にバーに力が加わるとベルトが一気に緩み、バックストロークレッジ本来の役割を果たさなくなってしまっていたのだ。
女子のレースでも起きた不具合。
 不具合があったのは、ザッビオーニだけではなかった。男子の前に行われた女子の予選でも同じように緩むことを指摘する場面があった。さらにトリニダードトバゴのディラン・カーターもザッビオーニと同様のトラブルに遭い、レースをやり直した。

 結果として、やり直した2人が予選を通過するタイムで泳いでしまったため、16位までが進める準決勝を18人で行うという対応策がとられた。

 夜の準決勝前、チームには『Back Stroke Ledges will NOT be in use in the finals tonight.』と書かれた紙が配られた。バックストロークレッジは今夜のレースでは使わないという通告だ。

 それに反応した各国のコーチたちが抗議を行い、結果的にバックストロークレッジが使われることになったが、これ以上ベルトが伸びないという状態にしておき、スタート台のバックプレートに固定した状態で使用する、という対応だった。つまり、バーの高さは固定された状態になったわけだ。

「みんな条件は一緒ですから」

 当然、日本代表の入江陵介もそのトラブルの渦中にいた。予選の6組目を泳いだ入江は、「(レッジを)引っ張らないように」と声をかけられたという。

 しかし、入江は幸いにも不具合に遭うことはなく予選も準決勝もスタートでき、6位で決勝進出を決めた。その入江は、次のようなコメントを残している。

 「さすがに予選が終わった直後は、選手間でも、あれはちょっとないよね? という会話はありました。ただ、準決勝の前にはオフィシャルにアナウンスがありましたし、使えないならバックストロークレッジはなくてもいいやって思っていました。みんな条件は一緒ですから。気にしててもしょうがないので」

 同様に、女子100m背泳ぎを8位で決勝に進んだ酒井夏海も「(レッジについては)特に気にしていません」と話した。
トラブルに動じない心が入江の強さ。
 確かに、2年に一度の大舞台であり、世界最高峰の水泳大会であることを考えたら、このような不具合やトラブルはないように準備しなければならない。しかし、100%完璧な運営ができる大会はないし、トラブルが起こる可能性をゼロにはできない。

 大切なのは、そのトラブルにどう対処するか。そのなかで、自分が最大限力を発揮するためにどう準備すれば良いかを考えることだ。

 スタートできなかったザッビオーニは抗議をして泳ぐことを諦めなかった。カーターもそれを見て抗議を行い、再度泳ぐチャンスを得た。泳ぐ本数が増えてしまったことは良くないが、それでも世界の舞台で決勝に進めるチャンスがわずかでも残されているなら、それに対して全力を尽くすのが最適解である。

 少なくとも彼らはそうしたし、入江はそんなトラブルに動じず、使えないなら使わないだけ、とすぐに気持ちを切り替えてレースに臨んだ。酒井も同様だ。
世界で戦うマインドを示した。
 自分が対応できないものに憤りを感じ、いつまでも不満を言っていても意味がない。天気が悪いことを嘆いていても、天気は変わらない。そんな嘆きに時間を費やすならば、自分ができる準備を淡々と進めたほうが効率的だし、結果にもつながる。それを入江は自然とやっていたのである。

 厳しい言い方をすれば、その程度で心が乱されるようであれば、世界と戦うマインドではないことを自ら証明してしまっているようなものだ。

 入江はバックストロークレッジが使えないことを前提として準備を進め、自分の泳ぎの精度を上げることに尽力した。入江が世界のトップ争いを長く続けていられる理由を目の当たりにした瞬間だった。

 あらためて、この先選手たちに負担を強いるような不具合やトラブルが起こらないこと、起こさないことを切に願う。

(「オリンピックPRESS」田坂友暁 = 文)