喘息吸引薬は有利

喘息の治療吸引薬をめぐる問題:選手からは「喘息薬を使う選手は除外、カテゴリー分けを」という声も、また五輪アスリートの調査で喘息薬使用者にメダリストが多いという明確な傾向も

1月 23, 2018  

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フルームがいまその渦中にいる喘息薬使用による問題は、本当に根深いものがある。すべてではないがドーピング禁止薬物だが治療薬として認められているものもあれば、禁止薬物ではないが、摂取量が制限されているものもある。そしてその治療薬の摂取の仕方次第では、治療を超えてパフォーマンスの向上につながってしまっているというデータも出ている。
マルセル・キッテル(カチューシャ・アルペシン)らトップクラスの選手の中には公の場で「喘息薬を使用している人間は別カテゴリーに分けて欲しい。」と口にするなど、治療薬とはいえドーピング効果がある薬品を使用する選手たちへの風当たりはそもそも強かった。TUE(治療目的例外措置)を申請すれば使用が認められる薬品も多いのだが、そのシステムの悪用をしたのではと当時チームスカイに所属していたブラッドリー・ウィギンスとブレイルズフォード監督に疑惑の目が向けられている中での同じくチームスカイのクリス・フルームの喘息吸引薬成分のサルブタモール基準値オーバーは、選手たちに間に露骨な嫌悪感を生み出してしまった。
さらにここ100年近くのオリンピック競技をさかのぼっていくと、喘息で治療薬を使用している選手(基準値内)のほうが、喘息の持病がない選手よりもメダル獲得率が約倍も高いことがわかっているのだ。これは明確に治療薬が影響を及ぼしているといえる数値ではあるのだが、喘息の場合治療薬を使わねば生命の危険にもなりかねないという側面が、使用を容認し続けているというのが現状だ。

偶発的なドーピング作用の可能性もある吸引薬をどこまで治療として認められるべきなのか、WADAの苦悩とともに、見る側にとっても頭を悩ますケースが増えそうだ。



ドーピングはなくならない。人間が医療を必要とするから。
病人だって障害者だってスポーツはしたい。
方法があれば、その方法を利用するのが人間だから。
有利になるためには嘘をつくようになるのが人間だから。
競技結果にビジネスチャンスや人生の成功が纏わりつかないなら
違ってくるけれど、
多くの選手は人生の成功のためにスポーツをする。
たった一回のチャンスの結果で人生が変わるなら、
余裕のある人の余暇でしか、公正公平はあり得ないと思う。