奈良判定認定 ボクシング 日馬富士を民事提訴


山根氏「奈良判定」に捜査のメス! 刑事訴追の可能性も… 
若狭勝氏「偽計業務妨害で立件可能」
2018.8.14 19:00  ZAKZAK

日本ボクシング連盟の会長と理事を辞任した山根明氏(78)だが、真の責任を問われるのはこれからだ。助成金流用やグローブの独占販売、マージャン賭博など法令違反の行為が続々と指摘されている。捜査当局は、公正であるべき試合の判定を覆す圧力、いわゆる「奈良判定」が偽計業務妨害助成金流用は詐欺または横領の疑いがあるとして情報収集を始めた。連盟の私物化の代償は想像以上に大きい。
 日本連盟から去っても関西連盟の理事長に居座ろうとするドン・山根。「これからもアマチュアボクシングに関わっていく」と宣言するあたり、逆襲の機会さえ狙っているかのようだ。
 だが、やりたい放題だったそのツケは小さくない。捜査当局は様々な疑惑に重大関心を寄せ、情報収集を開始したという。
 司法の専門家も同様に疑惑の目を向ける。「日本ボクシングを再興する会」は、
山根氏ら連盟の12の疑惑について告発しているが、元東京地検特捜部副部長の若狭勝氏は「最も本質的でインパクトがある」行為として不正審判問題を挙げる。
 告発状によると、山根氏は、公式試合当日に行われる審判員ミーティングで特定の選手を名指ししたり、ジェスチャーなどで勝敗の指示を行っていたとされる。山根氏が奈良県連会長出身であることから同県の選手をひいき目に見ていた証言もあり、「奈良判定」と呼ばれた。
山根氏とみられる人物が《奈良の選手を勝たせとかいわない。接戦した場合は誰にやるの? っていうわけ、人間関係やろ(中略)接戦した場合、やっぱり奈良やな。それ反対つけた場合は、『お前なめてるんか?』てなってくるわけ》と話す音声データも公表された。
 「奈良判定」について若狭氏は「刑事では、公正であるべき審判の業務を妨害したとして偽計業務妨害罪に問われ、3年以下の懲役または50万円以下の罰金になる可能性もある」と話す。
 「審判に事情を聴いて、山根氏からの指示めいたものがあったとすれば証拠はだいぶ固まる。捜査や立証の難易度はさることながら、本来公正であるべきところがねじ曲げられたことは、解明すべき点として最も大きい」と強調する。

 助成金の不正流用も関心が集まる。日本スポーツ振興センターが、2016年リオ五輪代表の成松大介選手に助成した240万円のうち、連盟は160万円を他の2選手に各80万円ずつ分配していた。連盟幹部らが成松選手に対し、会長の指示を隠蔽するような音声データも公開された。山根氏は分配の事実について認め、連盟を通じて160万円を成松選手に返還したとされる。
 若狭氏は「会長」が差配できる立場という前提で、「当初から助成金の分配を想定していたなら、詐欺罪で10年以下の懲役、受給されてから分配が決められたなら、会長の支配下に入ってからの差配なので横領になる。業務上横領なら10年以下の懲役となることがある」と指摘する。

ただし、分配の意思が受給前か後かは立証が難しいため、「通例なら横領容疑で立件する場合が多い」とし、「助成金を出した側が民事訴訟で返還請求できることもある」と話す。
 試合用のグローブの販売を山根氏の息がかかった会社1社に指定し、適正価格の2~3割増しで販売していたとされる問題はどうか。「再興する会」は、振込先も山根氏の孫や側近の名義の口座になっていたとし、《中抜きした利益を不正に取得している疑いが極めて濃厚》と指弾した。
 若狭氏は「他にグローブを販売できると、想定される業者が利益損失分を損害賠償請求できる可能性はある」という。
 大会期間中には賭けマージャンも行われていたとされ、山根氏も「賭博です」と認めたが、「現行犯か、ビデオに撮っているなどしなければ立件は難しい」と若狭氏。
 司直のメスは入るか。


三者委 山根前会長による“奈良判定”認定
「自主性阻害の審判存在した」

デイリースポーツ/神戸新聞社
2018/09/28 17:51

助成金流用や、山根明前会長のパワーハラスメント、反社会的勢力との交遊が問題となった日本ボクシング連盟の、告発された内容の調査にあたっていた第三者委員会の、梶谷剛委員長(元日本弁護士連合会会長)は28日、都内でこの日、JOC、日本スポーツ協会に提出した調査結果報告書について説明し、山根前会長の圧力による「審判不正」を認定した。
 「公式試合において自主性が阻害された審判が行われた件」、前会長が特定の選手に優位な判定を求めて審判に圧力を掛けたとされる、いわゆる“奈良判定”については、複数の審判員から「自主性が阻害された審判が存する」という供述を得たとし、「山根前会長らの言動は、審判員が自主性を阻害された審判を行う心理的状況に追い込む可能性があった」と指摘した。
 第三者委の板橋弁護士は「審判全員ではないが、一部からそういう供述があった。『(試合が)明らかな内容だとホッとする』、『どっちかな?という場合は会長が気に入っている選手のパンチが多く当たっているように感じる』など生々しい証言があった」と、説明した。また、「特定の県だけではなく、日本連盟推薦の選手という場合もあった」と、付けくわえた。
 平成27、28年度の国体、全日本選手権、インターハイで特定の集団が好成績を収めていることに触れ「山根前会長と関係が深い特定の集団に属する選手の中には良い成績を収めている選手がいる」。その上で「日本連盟の公式試合において、自主性が阻害された審判が一部に存在したものと認められる」と、認定した。



奈良判定」当時納得できず 
ボクシング・佐々木選手、福井国体準V

10/10(水) 9:19配信 岩手日報
   
福井国体取材班】日本ボクシング連盟による不正判定疑惑の一つに挙げられた2016年岩手国体の一戦。この試合でまさかの敗戦を喫したのが、8日の福井国体成年男子バンタム級で準優勝した佐々木康太選手(24)=ALSOK岩手=だ。「被害者」として疑惑の渦中にあったボクサーは「もう踏ん切りはついている。結果が覆るわけじゃない」と胸中を語った。

 初優勝を花道にするつもりだった2年前の地元国体。3回に2度ダウンを奪いながら、奈良県の選手に1―2の判定で敗れ、初戦で姿を消した。

 終了のゴングが鳴ると、案の定、相手の手が上がった。ショックより「やっぱり駄目なんだ」と思った。「奈良判定」はボクシング界では有名だった。ボクシング岩手の主将として「応援してくれたみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいだった」と振り返る。周囲から「勝ってたぞ」と慰められても「じゃあ、なんで負けなんだ」と敗戦を受け入れられなかった。

 7月に疑惑が表面化し、テレビでは連日、佐々木選手の試合が取り上げられ「自分の試合が一番ひどかったんじゃないかな」と思い返す。マスコミから取材依頼が殺到したが「国体に向け練習に集中したい」と全て断ってきた。

 先月、日本連盟の第三者委員会は不正審判が一部存在したことを認めた。佐々木選手の一戦がそれに含まれるか、どうかは明らかになっていない。だが、もう調査結果に興味はない。今春、現役復帰した24歳は「今後のことの方が大事」ときっぱり言い切った。


貴ノ岩が元横綱日馬富士を民事提訴 2413万5256円請求

10/4(木) 10:07配信 デイリー

大相撲の幕内・貴ノ岩(28)が4日、秋巡業中だった昨年10月に横綱日馬富士(34、番付は当時、すでに引退)から暴行を受け負傷した傷害事件について、同氏に対して損害賠償を請求する民事訴訟東京地裁に起こした。東京・霞が関の司法記者クラブ代理人弁護士が記者会見を開き事情を説明した。この訴訟の請求金額は2413万5256円としている。

 代理人弁護士によると、貴ノ岩とすでに引退している元横綱日馬富士の間で示談が成立せず、東京簡易裁判所に8月に申し立てた民事調停が不調に終わったことを受け「もはや話し合いによる紛争解決ができない」と判断。東京地方裁判所に損害賠償請求の訴えを提起したと報告した。

 請求金額の内訳は以下の通り。

【積極損害】入院治療費用等 435万9302円

逸失利益

(1)給与差額 148万1840円

(2)懸賞金の逸失 900万円

(3)巡業手当の逸失 38万円

(4)退職時の幕内養老金等の減 172万円

逸失利益の合計は1258万1840円)

【慰謝料】 500万円

【弁護士費用】 219万4114円

 入院治療費等(積極損害)の実費部分を除き、請求金額の根拠となっているのが「逸失利益」。これは、貴ノ岩が事件がなく、力士としての職業を幕内で全うしていたらいくら稼いでいたか、という視点から算出された。懸賞金については幕内に在籍し続けたとして、幕内在籍時の平均懸賞本数を1場所60本から70本と試算。勝率49%、1本6万円として1場所懸賞30本を、休場2場所と懸賞が出ない十両に落ちていた3場所を合計し、5場所分として概算したという。

 会見で対応した佐藤歳二弁護士は「サラリーマンのけがでも同じだと思います。収入に影響があるようなけがをさせられたら逸失利益は当然のことだと思います」と主張した。

 なお、貴ノ岩や、師匠だった元貴乃花親方花田光司氏からの談話については「訴えの内容については、もちろん(貴ノ岩)本人に了解を得ていますけど、一切、コメント等はいただいておりません」とした。


貴乃花親方が横綱論 白鵬、元日馬富士を痛烈批判「話にならない」
2018.02.08. デイリー

日本相撲協会貴乃花親方(45)=元横綱=が8日、フジテレビ系「直撃ライブ グッディ!」の単独インタビューに応じ、横綱白鵬、元横綱日馬富士の姿勢を痛烈批判した。
 貴乃花親方、元日馬富士白鵬の写真をバックに座って単独取材を受けた同親方は、昨年10月の秋巡業中に弟子の貴ノ岩が被害を受けた元横綱日馬富士による暴行事件や理事候補選に落選しての心境などを語ると、自身の考える横綱論について熱く語った。
 元横綱日馬富士が引退会見で、愛弟子の貴ノ岩について、「これからは礼儀と礼節を忘れずちゃんとした生き方をして頑張っていただきたい」と話したことに、「話にならないですよ。あんなものね。被害者を悪く言うなんてことはあってはいけない。事実とは違うわけですからね。それを言ってしまった加害者本人はどう弁解して生きていくか、見てみたいですね」と怒りをにじませた。
 暴行の事実に関しても元日馬富士の主張に異を唱え、「被害者の貴ノ岩が礼節を欠いた、携帯がとか全然、事実と違う話になっている。今、明らかになってますけど、捜査終わってますから」と明かした。
 さらに横綱白鵬が、立ち会いで張り手、かち上げを繰り返し、横審から“注意”されたことについては、「そういうことを問われるのは横綱ではないっていうことですよ」とバッサリ。「相手を傷つけるために相撲を取るわけじゃないですから。相手十分で向かってこさせて横綱っていうものですから。対象になることが変です」と切り捨てた。
 第65代横綱として22回の優勝を誇る貴乃花は熱く持論を披露。「相手を傷つける技じゃなくて、それで横綱が勝てなかったら相手の力士が強かったって、それだけのことなんです。そこを認めてまた自分と向き合ってやる。横綱になる前からそうでないといけないし、横綱になってからもっとそうでなきゃいけない」と現役力士たちに訴えるように話した。
 横綱としての心構えにも触れ、「横綱って超横綱を目指して横綱なんですよ。15日間、毎場所やればやるほど負担がかかるんですよ。15日間、個性の違う相手に好きなように向かってきて下さいっていう気持ちでやる。しこもそうですが足腰を鍛えると、精神的にも強くなっていく。人間の心身とも柱を太くして土俵に上がらないといけませんから。そういう技でなくて正面切ってぶつかり合っていくのが醍醐味なんでしょう」と、相撲道を説いていた。