脳とDNAと民族性 大坂なおみ選手の記事を読んで



大坂なおみが世界の称賛と同情を集めたワケ
 全く新しいタイプのヒロインが誕生

岡本 純子
2018/09/10 13:40

東洋経済オンライン

 “Born in Japan”の全く新しいタイプのヒロインが誕生した。9月8日に激闘の末、全米オープンの王者の座を手にした大坂なおみ選手だ。
 日本人のみならず世界のテニスファンの心をわしづかみにするチャーミングなキャラクターの大坂選手だが、その裏には、彼女をしっかり支える名コーチの存在があった。
 彼女の不思議な魅力と、その力を引き出したコーチのコミュ力について掘り下げてみたい。

観客からの大ブーイングに対して「ごめんなさい」

 何とも、感情を揺さぶられるドラマチックな決勝だった。歴代最多の四大大会24勝がかかった女子テニス界の絶対王者セリーナ・ウィリアムズとの決勝戦。3回の反則を指摘され、それに対してたびたび、怒りをぶちまけるウィリアムズと彼女に加勢する観客。圧倒的なプレッシャーと威圧感の中で、冷静さを失わず、戦い抜き、王冠を勝ち取ったわけだが、その後の表彰式での彼女の振る舞いが、世界の称賛と同情をさらに集める結果となった。
 式が始まり、結果に不満足な観客から大ブーイングが巻き起こると、彼女は瞬間、サンバイザーをぐっと押し下げて顔を覆い、涙を隠した。その後、表彰台のインタビューで、司会者の質問に対し、目に涙を浮かべながら、「質問の趣旨とは違うのですが、ごめんなさい。皆さん、彼女(セリーナ・ウィリアムズ)を応援していたと思うのですが、こんな風に終わらせる結果になってごめんなさい。試合を見てくれてありがとう」と言い、小さく頭を下げたのだ。
 大坂選手は、日本の選手ということになっているが、日本にいたのは3歳まで。それ以降は20歳の現在までずっとアメリカで育っているため、アイデンティティは「アメリカ人」といったほうがふさわしいような生い立ちだ。英語が母国語で、日本語もたどたどしいが、なぜか典型的な「アメリカ人女性」とも違うなんとも独特な雰囲気を醸している。
 それを感じさせるのが、自分が優勝した表彰式で謝ったり、「ありがとう」と言いながら、ペコっと頭を下げる仕草などだ。堂々と自己主張するタイプではなく、シャイで控えめ。日本人に近い気質も持っているようにも見える。
 今年3月の大会でツアー初優勝した時のスピーチも大テレで、「ハロー、あー、私はなおみ、、、あ、いいや、気にしないで」「えっと、なんだっけ」という感じで、くすくすと笑いながら、なんともマイペース。「これって史上最悪のスピーチね」と言って観衆を大いに沸かせた。
 のんびりとほのぼのとした“なおみ節”に「観衆はさらに彼女に恋をした」(イギリス・テレグラフ)と評された。テレグラフは「大坂なおみの不思議ですばらしい世界」というこの記事の中で、彼女がひょうひょうと自然体で勝ち抜くさまは、「まるで裏庭でバットとボールで遊んでいるかのよう」と形容した。

「なおみワールド」の魅力

 2年前には、抱負を聞かれ、ポケモンのテーマソングの一節を上げ、報道陣がぽかんとした、といったエピソードにも触れ、「飾らず、物おじしなくて、ユニーク。大坂は子どものような不思議さで話し、彼女の声の抑揚やリズムはまるで、『アメリカン・パイ』(米青春映画)のキャラクターのように聞こえる」(同)と独特の「なおみワールド」の魅力にはまる人が続出していることが紹介されている。
 今回の試合後のインタビューでも、「なんで名前と出身地が同じなのか」と聞かれ、「オオサカで生まれた人の名字はみんなオオサカなのよ」と笑いを取り、「試合が終わったら何したい」という質問に対しては「私、そんなに社交的じゃないの」「寝たい。ビデオゲームもしたいかな」、そして、「何を食べたいか」との質問には、「とんかつ、かつ丼、カツカレー、そして抹茶アイスクリーム」となんとも愛らしい回答だった。
 そのインタビューで、「なぜ、表彰式で謝らなければと思ったのか」と問われると、「その質問は私を感傷的にさせるわ。だって、彼女(ウィリアムズ)は24回目のグランドスラムを取りたかったでしょ。誰もが知っていたわ。(でも)私がコートに立った時、私は自分が違う人間のように感じた。(その時の私は)セリーナのファンではなく、対戦相手と対峙する一人のテニスプレイヤーになっていた。でも、ネットのところで、彼女とハグをした時、私はまた、(セリーナのファンだった)子どもに戻ったような気がしたの」と涙ぐみながら語った。
 つまり、マイペースに見えるキャラの内面には、誰よりも人の気持ちを思いやる優しさと、いったんコートに立てば、不屈のファイターへとあっという間に憑依する強靭なメンタルを持ち合わせているということだろう。ここ2年で急速な成長を遂げたといわれる大坂の強さを引き出してきたのが、コーチのセルビア系ドイツ人、33歳のサーシャ・バイン氏だ。以前、ウィリアムズの練習相手を8年間も務めていたが、昨年の12月に、大坂選手とタッグを組んだ。
 大坂選手曰(いわ)く、「彼は非常にいい人で、ポジティブで陽気。私は落ち込むことが多いので(相性がいい)」と説明したが、ひょうひょうと見える彼女も、実はネガティブ思考で悩むことも多いらしい。
 バイン氏は、インタビューで、「彼女は完璧主義で、自分自身に厳しすぎるところがあるから僕は真逆でいなければならない。だから『大丈夫。地球は丸くて、草は青いさ、すべてうまくいく』って言うんだ」と語っている。「最初はもっと内にこもり、控えめだった」という大坂選手を徹底的にリラックスさせ、その殻から出てくるように導き、ムードメーカーとして励まし続けた。
 その様子は試合中の2人のやり取りを映したこの動画からもうかがえる。自信をなくし、涙を流す彼女に、「できるよ」「深呼吸して」「みんなわかってる。君はできるんだよ」と優しく、暗示をかけるように粘り強く励まし続ける。

「オーバーコーチング」をしないことが重要

 彼は「誰かが、選手にどちらの道を行けと指示するのではなく、選手が自分で道を見つけられるほうが価値がある。だから僕はある程度、選択肢を狭めておいて、最終的には、つねに彼女が自分で決断をできるだけの余地を残しておくことが大切だ」と述べている。
 つまり「オーバーコーチング」をしないということが重要だというのだ。
 スポーツの世界でカギとなるのはもちろん選手の実力だが、それと同等、時にそれ以上、重要なのがコーチや指導者の「コミュ力」である。指導者のコミュ力と選手の実績とは絶対に「正比例」する。青山学院大学の駅伝チームの原晋監督やワールドカップでの大躍進を導いた元ラグビー日本代表監督エディ・ジョーンズ氏(参考記事「青学・原監督の『コミュ力』は何がスゴいのか」)などはまさに、バインコーチ同様、選手との対話を重視し、自ら考えさせ、選び取らせるスタイルで成功を収めた。
 ひるがえって、日本ではまだまだ、コーチが一方的に怒鳴りつけ、根性主義で、「教え込もう」とする指導も健在だ。選手を殴りつける、恫喝するなど、ゲスの極みのような慣行も存在する。
 大坂選手の優勝に、2020年の東京五輪の「顔」が見つかったと安堵する関係者も多いかもしれないが、彼女のこの偉業に、日本のスポーツ界や関係者の功績といえるものはそれほどないだろう。
 次々と露呈するパワハラ体質を抜本的に改め、徹底的に指導者のコミュニケーション力を鍛えることが急務だ。大坂選手の快挙は大いにたたえつつも、浮かれている余裕など、日本のスポーツ界にはこれっぽっちもないのである。


WIKIより 2018年9月10日調べ
1997年平成9年)10月16日大阪府大阪市[9]中央区で生まれた[1]。父親はハイチ共和国南東県ジャクメル出身で[10]アメリカ合衆国ニューヨーク大学で学んだ後、13年間日本に在住した[2]ハイチ系アメリカ人[11]。母親は北海道根室市出身の日本人で、苗字の「大坂」は母方から来ている[12]。札幌で出会った両親は、その後大阪に転居[13]。姉の大坂まりもプロテニス選手である[3]。母方の祖父は歯舞群島勇留島出身で、根室漁業協同組合組合長をしている[14]札幌市住居が、なおみの日本の住民票住所である[3]


生き物はすべて、自分の生まれ持った遺伝子には逆らえない。
遺伝子が体を作り脳を作る。
その脳を使うしか、世界を理解するすべはない。
教育で変わる部分もある。
腦は五感から得る外部情報を統合して、自己個体の存続を図るために最適と思われる行動を選択するという判断決定器官である。
そのため、オオカミ少年の例のように、オオカミの群の中で育った場合、
その群れの中で生き延びるために最適な判断をするようになり、知識が蓄積され、
個体としての行動を決定づける。
その環境をいきなり無理に全部変えられた場合(人間社会につれもどされた場合)
理解の及ばぬ環境に対して不適合を起こして、ストレスで命を落とす。
また、赤ん坊に体の世話をしても、言葉をかけないで育てた場合、その赤ん坊は死んでしまったという例も、小耳にはさんだことがある。

さて、大阪なおみ選手は一見して混血児と解る容貌をしている。
民族的にはハイチの男性遺伝子と日本の女性遺伝子のモザイクだ。
肌色はハイチの特徴を色濃く表し、しかし顔だちや脳とそれが判断する感覚は
ヤマト民族的な情報処理をする脳の遺伝子が選択されているらしい。
(その逆の場合もあるだろう。外見的には日本人に類似だけれど、
考え方は:脳は:日本民族の特徴を持っていない場合。)
移民など外国人に対する違和感は、
習慣的なもので変化可能なものを除けば、
こういう頭の中のものの感じ方の違いに対しての違和感らしい。
外見の違いはそのうち慣れるが、
世界に対する行動の選択をする器官としての
腦の属性の違いは、もっとも異民族同士の軋轢や抗争の種になる。
合わない考え方の人間が「これでいいだろう」という決め事をしても
それがいいと感じない者たちは、
そこから離れて別のグループを形成し、
自分たちの納得するやり方を取り、そこでまた違う「国」を形成する。
元は同系統同血統から増えてきたはずの人類が
それぞれに離れて暮らし、別のグループを形成し
あるいは移動し、あるいは闘い、あるいはその持てる特性のために
生き方を選択し、あるいは自然消滅してきたのも、
遺伝子にないことはできないのが生き物というものだからである。
そういうことを考えさせられた。
大阪なおみ選手のメンタリティをよく表す文章を読むが
彼女は彼女として生まれたゆえに、こういう感じ方をするのであって、
国籍は事務的に変えられても、
例えばハイチ国籍を取得してハイチで暮らすようになっても
共感力や察する力の強い日本民族的に感じる彼女の脳は
ハイチでは色々違和感を感じるかもしれない。
混血児は両方の国から国籍を選ぶ場合が多く、
二重国籍を認める国もあるが、
持って生まれたものの感じ方によって、
より生きやすいメンタリティの場所を選ぶことが多いのではないか。
そこに習慣、経験、教育の要素も絡み合うし、
脳の完成は体より遅く、25歳くらいと言われているので、
若いうちなら鍛えられたところがより発達し、
使われなかったところは発達せずに終わるという違いが出る部分で
その文化圏らしさというのも脳形成に対して大きな違いともなるだろう。
しかし、趣味のレベルで考えて見るとわかりやすいが、
こちらのジャンルには大いに興味を惹かれるが、
こちらのジャンルには「どこがいいのか解らない。熱狂する人の気持ちが解らない」
ということが往々にしてあるように、
解らないようにできているものは解らないし、
より感受性が強く生まれついていることには
小さなことまで敏感に違いを認識する。
筆者がテニスの結果にはなんら興味を惹かれず、
大坂選手のメンタリティと脳の関連性を考えてしまうのも
自分がそういう風に生まれついているからだろうと思う。


移民問題が問題化してくる時に、
もっとも解決ができないのは、その持って生まれた脳が支配する
ものの感じ方という部分ではないかと思われる。
話が通じないということでは、集団は形成できない。

通常の国「nation」が自然発生的なでき方をする時は、
古代のある一家が一族にまで増え、その一族がもっと増えれば民族になるので、
おおむね遺伝子的には共通で、世界感も似たようなものになると思われる。

それに対して近代に人工的に作り上げられた法律上の決め事を守る集団としての国家
「ステイツ」は、話合いと合意のもとで出来ている。
現在は両方が混在するが、交通と通信手段と言葉の翻訳が発達して、個人が移動するという大変化の時代になったので、これからは別のとらえ方が模索されて行くしかないだろうと考える。

アメリカ合衆国は、そういう人類の実験場として興味深い。
それそれのルーツの集団ごとに分かれて棲み分けたところから始まっているが、
現在は合衆国憲法よりもそれぞれの州法が優位に立つ場合も多いらしい。
考え方が賛同できなければ、別の法律を持つ別の州に移動移住したり、
それで済まなければカナダに国籍を変えたりメキシコに逃れたりする場合もあるようだ。
アメリカの内情を見る限り、人類とは自分が安心できる場所を求めて、色々に棲み分けるものだと思われる。ある種の才能がある者たちは、また才能による別グループを作る。自分のこだわりをこだわりのまま自由に話せる場というのは、全人類が共通して、あれば嬉しい場だからだ。(言葉がではなく)話が通じる、気持ちが解ってもらえるということは、ほぼ全ての人類にとって、ストレス発散になることだと思われる。

いつのどこの時代も才能で人に利益をもたらすものは、どこでも歓迎される。
強いスポーツ選手が色々な国から勧誘がかかり、便宜を図られるほと、
人間は現金なものだ。
しかし、才能や教育や能力のあるものは、世界中で生きる道があるが、
そうでないもの。本国で食い詰めてしまい、失うものもないゆえに、新天地で生きる道を求める。
そういう者たちが難民になるわけだが、教育で生きる術を得られる場合と
そうでない場合がある。知識や資格はあっても、
犯罪者は世界のどこでも歓迎されない。
しかし、それも持って生まれた遺伝子が、自己保存本能に従って
自分の遺伝子や個体を存続させる方法として、そういう行為を選ぶということだけは
生き物として共通事項だろうと思われる。
通常移民として歓迎されるのは、その時代にもてはやされる能力が高いものだ。
研究やスポーツなどは解りやすい。
能力が低い場合も、難民枠なら移住移民できる。

頭の中味によって、属する土地や集団を変えていくというアメリカの州の在り方は、
これからの人類を占う上で、非常に興味深い実験だと思うのだ。
やはり人類は自分の生きやすい集団(価値観、考え方)に属したいと
これからは人種よりも脳の中味によって棲み分けるような国に分かれて行くかもしれない。感じ方、考え方、価値観などによって、人類の棲み分けの再編が行われる時代になるかもしれない。

なお、日本人・大和民族の遺伝子型は、一番古代の特徴を残すタイプで、
世界でもほとんど残っていない、まれな残り方をしている。
このあたりが、自然の気をよく読み、感受性、共感力の高い源であるのではないかと想像している。


ツイッター7年やって一番良くわかったことは「人は分かり合えない」でした。
Twitterとはガンダムだったのです。

>「人の革新ニュータイプは分かり合える」という名目で、1stでは良さげな感じで終わったように見えてその後何百年も、分かり合えずひたすら戦争してるのがガンダムという作品の皮肉であってですね

>みんなニュータイプになれば解り合えるというのは幻想で、NT同士でも「俺はあいつとは相容れない」ということを互いが理解するだけで、そこからもう一歩踏み越えて「許し合えない」というのが本当のテーマなのだと思うのです。

解り合える場合もあることはあるが、それをすべての人、全ての場合に期待するのは間違いだということだろう。
人類史のほとんどは、歩いていける距離に住む人びととしか会うことはなかった。


>なおみさんの優勝インタビュー、ロステレのネイサンをちょっと思い出しちゃった
 でもグッと観客の心を掴んでるし、胸を打たれる。

>ネイサンがロシアメディアに語った会場では僕の優勝を誰も期待していなかったという言葉を思い出しただけですがどこが嫌味なのですか?

>なおみさんのインタビューを聞いてネイサンがロステレ後に話したインタビューを思い出したという感想がなんで羽生くんに対する嫌味なの?わけわからない。
なんで全然知らない人に日曜日の昼下がりに嫌な思いをさせられなきゃならないんだろう。