ブラック企業吉本興業の実態

吉本の話はどうしても、アマスポーツ界のパワハラの話と似て聞こえる。
戦後の時代のタイムカプセルのような。
芸能ヤクザと呼ばれる組と大差ないだろう。

吉本興業「闇営業監視人だった」元マネージャーが決意の告白

8/24(土) 9:01配信
FRIDAYデジタル 

ブラック企業吉本興業の実態
社長にはビンタをくらった

「芸人というのはな、商売道具のオモチャやから。お前が出世するための道具として使っていったらええんや。ボロ雑巾みたいに使えばいい」

【写真】詐欺グループ忘年会で「闇営業」 熱唱する宮迫博之

焼き肉店で食事をしていると岡本(昭彦)社長は、私にそう言い放ち、

「一部のメンバーにだけ気を遣ったらええんや」

と付け加えました。すると同じテーブルにいた幹部たちは大爆笑したのです。この時から上層部に対する私の不信感が芽生えていきました。

<本誌の取材に対して、吉本興業元社員の男性A氏は、苦渋の表情を浮かべながらこう語り始めた。

A氏はかつて吉本興業のエリートマネージャーとして、日本人なら誰でも知っているような売れっ子芸人を何人も担当してきた人物。そんなA氏が、「闇営業」問題で揺れる吉本興業の「真の姿」を多くの人に伝えるべく、重い口を開いた。>

岡本社長の記者会見をテレビで見て、私は開いた口が塞がりませんでした。「吉本興業は全員がファミリー」と言っていましたが、あまりにも空々しい。社長はカメラの前だけ耳当たりのいいことを言って、本当は芸人さんたちを見下していた。そういう姿勢に私は憤りを感じました。

岡本社長が「芸人はオモチャ」と発言した焼き肉店での会食で、「さあ喰え、さあ喰え」と私は大量の焼き肉を食べさせられました。ご飯はマンガのような大盛り。肉は次々と鉄板の上で焼かれていったのです。

「吉本で働くには会食も大事だから鍛えなアカン。藤原(寛・副社長)なんか一日7回の会食を乗り越えてきたから出世したんやぞ」

と社長からは言われました。

私はこの日は朝から体調が悪く、なかなか箸が進まず途中でトイレに立ちました。席に戻ると、岡本社長は私に向かって、

「お前、食えるって聞いとったぞ。なんで食われへんねん」

と絡んだあげく、あろうことか頬をビンタしてきたのです。社長がすぐ手を出すことは社内で有名でしたが、いい大人が肉を食わないからという些細(ささい)な理由でビンタされるとは。やはりショックでした。

こうしたパワハラ行為は社内では日常茶飯事で、私はどんどん精神的に追い詰められていったのです。

多くのマネージャーは毎週月曜日に、前週1週間の勤務内容を上長に報告します。朝はスポンサーと打ち合わせ、昼間は収録の立ち会い、夜にはデスクワーク。月の労働時間は300時間を優に超え、一年にとれる休日は1週間もありませんでした。だからどうしても労働基準法を守っていないスケジュールになってしまいます。

しかし、会社としてはそれじゃまずい。だから、上長から勤務記録の書き直しを指示されました。働いていた日を「休み」に変えろと。月に1日も休んでいなくても、8日間の休みがあったと記入しなければ上長のOKが出ませんでした。

若手の芸人さんたちの置かれた立場も酷いものでした。吉本主催のイベントでは、絶対に収支をプラスにしなければならないと会社から厳命されていました。しかし、もちろん興行的に失敗するイベントだってあります。その際、シワ寄せを受けるのが、芸人さんや下請けのスタッフさんです。イベントによっては、芸人さんや外部の作家さんのギャラが0円なんてこともありました。だから、会社を通さない闇営業、直営業をやっている芸人さんはたくさんいましたよ。吉本主催のイベントに出演するよりもそのほうが稼げるのだから、仕方ないことだと思います。

◆変装して劇場で見張る

吉本は一連の闇営業報道で批判されたとき、「芸人の直の営業は元々認めているから問題ではない」といった趣旨の言い逃れをしていました。

しかし、吉本は所属芸人の直営業を見逃すような甘い会社ではありません。

会社は私たち現場の社員に指示して、芸人さんたちが吉本主催でないイベントに勝手に出演していないかを監視させていました。私も帽子をかぶり、メガネをかけて変装して、そういったイベントを調査していたのです。

そこで、会社に無断で出演している芸人さんがいないかチェックして、上長に報告する。「どうも~!」ってステージに上がった芸人さんと目が合い、「えっ!?」って顔をされることも何度かありました。

ほかにも、社内にはテレビ番組に出演する芸人さんの発言をチェックする担当社員がいました。芸人さんが少しでも吉本に批判的なことを言ったら、リストアップして上長に報告するんです。とにかく芸人さんの監視体制は陰湿でしたね。売れている芸人さんであっても、会社の悪口を言えば評価はダウン。(吉本興業HDの)大﨑洋会長や岡本社長にペコペコしない芸人さんは、なかなかギャラも上がらないのです。

私は担当している芸人さんのSNSも監視していました。吉本の悪口や不満などを書いているのを見つけたら、すぐに「何時何分に誰々がSNSにこういうことを書いていました」と上長に報告します。それを把握していないと、「なんでお前、発見できんかったんや」と、呼び出されて私が怒鳴られる。怒られるだけならまだマシで、左遷させられることもあります。だからやらざるを得なかった。

ただ監視業務をするにあたって、気をつけなくてはならないこともあります。

闇営業やSNSでの会社批判を見つけたら、呼び出して注意する前に、その芸人さんが松本人志さんに可愛がられているかどうか調べないといけないのです。

なぜなら、(松本さんと仲が良い)彼らを呼び出して小言を言えば、すぐに告げ口されて、「問題のあるマネージャーがおる」と松本さんや社長に伝わってしまう。すると社員のほうが飛ばされてしまうこともあり得るのです。

◆社員を信じていない

会社が監視しているのは芸人さんだけではありません。社員も監視しています。

たとえば、「社内の会議室に盗聴器が仕掛けられている」というウワサが社員の間でまことしやかに囁かれていました。岡本社長は入社式のとき、新入社員にも、「テープ回してないやろな?」というようなことを言っていました。盗聴が当たり前になっているんだなと感じましたね。

マスコミに吉本の批判記事が出ると「犯人探し」を徹底的に行います。ネタを漏らしそうな怪しい社員がリストアップされ、役員主導で調査が始まります。
(フィギュア村がこんな感じでは?狭いから)

私もまったく身に覚えのないことで役員に呼び出されて、1対1で唐突に「これ知らんか?」と問い詰められました。会社は社員のことをまったく信じていないのです。

私が会社を辞める際には、人事部のトップに呼ばれて、こう言われました。

「もう君は会社の人間じゃない。同期や上司で会社を批判したり、週刊誌に情報を漏らしている奴はいなかったか?」

吉本ではみな、不満を漏らしたら、同僚から上長にチクられるのではないかと疑心暗鬼です。だから仕事の悩みを誰にも相談できない。岡本社長、大﨑会長、松本さんのラインに気に入られなければ、社内で出世も望めません。それもあって30歳前後で同期の半分以上は辞めてしまい、中堅の人気芸人さんと対等に付き合える30~40代の社員が少なくなる。20代の社員は芸人さんと会社の板挟みで、本当に苦しんでいると思います。

私自身、上長から恒常的にパワハラを受けていましたが、相談できる人は社内に一人もいませんでした。上長からは私物のカバンやパソコンを投げ捨てられ、「お前、会社から消すぞ」と恫喝(どうかつ)されたこともあります。吉本に在籍していた当時はストレスで血尿が出たり、円形脱毛症になったりしました。こういったことの積み重ねで、追い詰められていきました。

<本誌は吉本興業に対して、A氏が証言した岡本社長の発言やパワハラ行為、また闇営業を監視する業務について、事実関係を確認するために質問状を送付したが、期限までに回答は得られなかった。>

会社は「芸人ファースト」と言いながら、芸人さんたちを蔑(ないがし)ろにしており、私も闇営業の監視などやりたくもない仕事をさせられ、芸人さんたちを第一に考えて働くことができなかった。これが、「日本一のお笑い企業」を標榜する会社のまったく笑えない実情なのです。


吉本社長“全員クビ”発言…

菊地弁護士「脅迫罪や強要罪の可能性」

社長に会見止める権限なし

7/27(土) 6:01配信
関西テレビ
カンテレ

お笑い界を牽引する吉本興業を巡って広がる波紋…。

吉本興業 岡本社長:
「2人に対して深くおわびを申し上げます」

 所属芸人が反社会的勢力から金銭を受け取っていた“闇営業”に端を発した、吉本興業と芸人との確執。

 岡本社長と宮迫博之さんたちの主張の食い違いなど多くの疑問が…。

宮迫さん:
「岡本社長がおっしゃったのは、『お前ら、テープ回しないやろな』と言われました。『亮、ええよと。お前辞めて1人で会見したらいいわ。全員、連帯責任でクビにするからな』と」

吉本興業 岡本社長:
「冗談で「テープとってんのちゃうの?」と言った。個人バラバラで言うんやったら、勝手にせぇと。それやったら、会見するんやったら全員クビやって言ったんですが…」

 岡本社長は発言については認めているものの「身内に言う感覚だった」と釈明しています。

 これについて街の人は…。

女性:
「社長さんの言ってる会見自体が、何言ってはるんやろこの人?って感じやった」

連れの女性:
「吉本の体制がよくないような気がしますけどね」

別の女性:
「こういう風にしか言えなかったんですかね?冗談とかっていうのって。もっと違う言い方あったんじゃないかなって思う」

男性:
「関西人同士のノリみたいなところもあるん違うかなと僕は思ってるけど。取り方なんやろうけど、冗談が通じんかったんやろ」

 さらに、今回の騒動で物議を醸しているのが芸人の契約について。双方の間には契約書はなく口頭のみでの契約となっているということですが…。

女性:
「契約書交わしてない?そういうの成り立ちます?今の世の中。一応『うちでお笑いとして採用しますよ』『じゃあお願いします』っていうくらいはね」

 まだまだ終息には時間がかかりそうな、芸人と所属事務所との絆を揺るがす問題。菊地幸夫弁護士に法律の観点から伺います。

菊地弁護士:
「社長の『テープ回してないやろな?』という発言は、法的には問題ないかと思われます。会話を秘密に録音するというのはプライバシーを侵害する面があります。会話というのはプライベートなものだからです。ですから、それはちょっと困るでしょという趣旨であれば、問題がないということになると思います。

 一方、『会見やってもいいけど、全員連帯責任でクビにする』については、芸人さんはクビにされると報酬が入ってこなくなり、経済的な損害をこうむります。あるいは、クビというのは本人の名誉にも関わります。そういう被害を相手に与えるということを言っている段階で脅迫罪となる可能性があります。

 そもそも芸人の方たちは個人事業主なので、今回の発端である“闇営業”は吉本興業のイベントなり番組とは違う場面ですよね。だからそうすると吉本さんの管轄外ですから、そこで起こったことに関して、宮迫さんと田村さんが『すいませんでした』というメッセージを世間に出すのは、ご両名の自由と言えば自由なんですよね。

 ですから『会見をやるな』とも言う権限がない。そういうことに関して、損害を与えるようなことを言って無理を言うと、強要罪となる可能性もあるんじゃないかと。あとパワハラ的な要素も含まれていると思います」

Q.今回、吉本興業と芸人の間で契約書を交わしていないということがクローズアップされていますが、口頭での契約というのはアリなんでしょうか?

菊地弁護士:
「口頭でも法的には有効です。諾成契約と言いまして、承諾だけで成立する契約です。これが契約の基本なんですね。むしろ書面がなければいけないという方が例外なんです。ですから口頭でも有効となります。ただ、言った言わないになって『いや、知らないよ』って言われちゃうとトラブルになります」

Q.弁護士の立場としておすすめする形はどちらですか?

菊地弁護士:
「やはり書面で残しておいたほうがよいです。今回もそういうものがあれば、色んなことがより明確になっただろうと思います」


関西テレビ7月24日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)

吉本「死亡しても一切責任負いません」 研修生に誓約書

7/31(水) 5:05配信

死亡しても責任は一切負いません、賠償請求もできません――。所属芸人の多くと契約書を交わしていなかった吉本興業が、そんな規約を承諾する誓約書を提出するよう、芸人養成所「NSC」の合宿に参加を希望する研修生に求めていることがわかった。朝日新聞が規約の内容について尋ねたところ、吉本興業は「間違った内容が記載されているため修正する」と説明した。

【写真】吉本興業が提出させた誓約書

 吉本興業が提出を求めていたのは、9月9~11日に静岡県掛川市で同社が主催する「NSCお笑い夏合宿」に参加するための誓約書。合宿費用は税込み4万500円で、参加を申し込む場合、同社が示す「規約及び注意事項」について、「私の保護者も含めて熟読、十分に理解したうえで参加する」と記された誓約書に署名し、提出するよう求めている。

 その「規約及び注意事項」では、合宿の費用や持参物とともに、15項目の順守事項を列挙。時間厳守や飲酒、喫煙の禁止などのほかに、「合宿中の負傷、これに基づいた後遺症、あるいは死亡した場合、その原因を問わず吉本興業に対する責任の一切は免除されるものとする」との免責事項を組み込んでいた。

 さらに、こうした傷害については「賠償請求、訴訟の提起などの支払い請求は行えないものとする」とも記載。こうした内容を含む規約について、「遵守(じゅんしゅ)しない者は、強制送還や退学処分となる場合もある」としている。

 一般的に、契約時に免責事項が設けられることはある。だが、2001年に施行された消費者契約法は、たとえばイベントの主催者の不法行為で生じた損害の責任をすべて免除するような条項は無効だとしている。消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士は「書く必要のないことが記載されている。今の法制度にのっとらない、人を人として扱わない規約」と指摘。「訴訟ができない」ことについても、「憲法で認められた裁判を受ける権利を放棄させようとする内容だ」と問題視する。

 吉本興業によると、今年の合宿の規約のほかに、少なくとも17、18年に実施した合宿の規約にも、こうした内容が含まれていた。大崎洋会長が社長に就任した09年にコンプライアンスリスク管理の強化方針が打ち出され、免責範囲を広めるような内容にしたという。

 しかし、5年前に顧問弁護士の指摘を受け、14~16年は「責任の一切は免除される」などの記載を修正したという。17年以降の規約に記載されていることについては、「担当者が代わり、引き継ぎがうまくいかずに修正前の規約を渡してしまった」としたうえで、「生徒と親御さんに与えた不信感を払拭(ふっしょく)できるよう説明していきたい」と謝罪した。

 同社は合宿の内容について、「プールで大喜利をしたり、ギャグで競い合ったり、罰ゲームはおかずの一品を減らす程度で、命の危険はない」と説明している。


パワハラ、隠蔽、ブラック……・・でも吉本は「国から100億円」 プチ鹿島「静観できる事態ではない」

7/25(木) 5:30配信
文春オンライン
   
 今週の幕開けは吉本興業岡本社長の会見だった。

 闇営業問題がここまで拡大したのだが、新聞読み比べ的に言うと「吉本」記事で私が最も気になったのはこちら。約1カ月前の記事です。

【写真】緊急会見を開いた宮迫博之と田村亮

辺野古 見えぬ対話 移設ノー、知事強調」(朝日新聞6月24日)

 これは沖縄慰霊の日について報じたもので、“沖縄と向き合わない首相”に焦点を当てて書かれている。

 首相は《むしろ基地跡地利用に力を入れることで、「辺野古埋め立て」のイメージを変えようとしている。》という。
吉本会長がブレーンとして参加する「懇談会」
 なんでこれが吉本と関係あるのか?

 次のくだりを読んでほしい。政権の沖縄構想について。6月20日にある会議がおこなわれた。

20日、「基地跡地の未来に関する懇談会」の初会合には吉本興業会長の大崎洋氏らが出席。エンターテインメントやスポーツで「世界一の島にする」といった意見が出た。》(朝日・同)

 すごい。

 基地跡地をどうするかという懇談会に吉本興業会長が出席している。政権が主催する会なので、国を動かす側に吉本が入っているということになる。ブレーンだ。

「闇営業」という言葉があるなら、これは吉本的にはピッカピカの「光営業」であろう。自慢の躍進だろう。
社長会見で浮き彫りになった“吉本上層部の暗い体質”
 吉本興業からすれば、これだけ超公の存在になってきたのだから反社会的勢力との接触(=闇)があっていいわけがない。社員も含めて全員クリーンでなければならない。当然そういう論理になる。だから闇営業にも決然と対峙するのだと思った。

 しかし月曜の社長会見を見ると、むしろ吉本上層部の暗い体質が浮き彫りになった。パワハラ、隠蔽、ブラックという疑惑。

 こういう体質の会社がここまで国や政権と近すぎて良いのだろうか?

 これはマズいのではと思う。この素朴すぎる疑問が頭から離れないのである。沖縄の記事を読んでからずっと引っかかっていた。これは芸能ゴシップではなく深刻な社会問題である。

「最大100億円」の出資を国から受ける巨大プロジェクト

 すでに話題だが、4月に発表されたプロジェクトもある。

吉本興業NTTグループ、国産プラットフォーム事業開始、クールジャパン機構も出資」

 これはNTTのニュースリリースだが、吉本興業とNTTは共同で「遊びと学び」をコンセプトにした教育コンテンツ等を国内外に発信していく国産プラットフォーム事業を始めるという。

 注目は次。

《新会社にはNTTグループ吉本興業からの出資に加えて、段階的に最大100億円をクールジャパン機構が出資します。》

「最大100億円」の出資を国から受ける巨大プロジェクト。

 その昔「大阪百万円」という芸人さんがいたが、吉本は「国から100億円」。すごすぎる。
政権と近い会社の体質 「公的な存在」としてどうなのか?
 ではこのプロジェクト、どこを拠点にするのか? 説明にはこう書いてある。

《また、沖縄県に、本プラットフォームの拠点となるアトラクション施設を設置します。バーチャルなコンテンツの世界観をリアルに体感できるアトラクション施設を設置することで、沖縄の地域産業の活性化や、国内外からの観光誘致にも寄与していきます。》

 あ! 沖縄ではないか。

 吉本の会長さんが「基地跡地の未来に関する懇談会」に呼ばれる意味がここでつながる。

 

 今回の騒動で吉本芸人による待遇改善とか、立ち上がる姿もたしかに大事だ。目が離せないし私も応援の気持ちしかない。

 しかし政権と近い会社の体質が問題に見え、そこに国からお金が大量に投入される。これは公的な存在としてどうなのか。しかも沖縄というキーワードがとても気になる。

 この点こそ最も話題にならなければいけないはずだ。

 そもそも「エンターテインメントやスポーツで沖縄を世界一の島にする」のも「最大100億円をクールジャパン機構が出資します」も税金だ。

 なら、吉本の体質改善を求めるのは所属芸人だけでなく一般国民だって同じ。声をあげたり小言を言うべきは吉本の芸人だけでなく税金を払っている我々も同様なのだ。「吉本の芸人さんかわいそう」と言ってる場合ではない。

 政権側も吉本興業との近さをあらためるべきではないか。隠蔽、圧力、「あったものがなかった」という態度の……

 あ、あれ?

 政権幹部と吉本幹部。「類は友を呼ぶ」という言葉が一瞬浮かんだが、もちろんこれは吉本の社長さんが言う「冗談」であってほしい。

 今考えられる方法は2つ。吉本やその上層部の体質が変わること。

 もしくは吉本は今のままでよい。その代わりに政権との関係や野心を見直してもらう。「芸能ネタ」の範疇に戻ってもらう。そこからの体質改善。

 このどちらかだろう。

 こんなことを言ってるとまた官邸に吉本新喜劇が派遣されて“ほのぼのニュース”が発信されるかもしれない。

 でもここまで明らかになった以上、もう「場を和ませる」意味にはもうならない。

 静観できる事態ではないのだ。

 以上、今週の新聞読み比べでした。